「グロースハックの重要性は分かったんだけど、何からやればいいか分からない!」
「とりあえずグロースハック始めてみたんだけど、全然うまくいかない!」
最近、こういった声をよく聞きます。
上記2つの悩みへの私の回答はシンプルで、
「グロースハック以前に必要なものを揃えるべき」
では、
・グロースハック以前に必要なものとは何なのか?
・それを揃えるにはどうすれば良いのか?
それらの更なる疑問にお答えするために、
筆者が行ったグロースハックセミナーの内容から<準備編>のみを抜粋して紹介したいと思います。
グロースハックって何って方はこちらの記事をどうぞ。
「グロースハック」とは
グロースハックの旅に必要な5つのもの
グロースハックには、以下の5つが必要です。
1.PMF
2.マインドセット
3.フレームワーク
4.チーム
5.ツール
この5つの土台がしっかりしていない状態で、いくらグロースハックをしようとしても
ほぼ100%失敗してしまいます。
以下で、この5つを詳しく説明していきます。
1.PMF
PMFとは、「そのプロダクトがなくなると心底困る人がユーザーに占める割合」のこと。
これが40%以上ないと、いくらグロースハックしても無駄です。
これが40%を下回っているフェーズでは、グロースハックではなく、
Lean UXなどの手法を用いて、必要に応じてピボットを繰り返しながらPMFを向上していくことになります。
そして、それでもPMFが40%を上回ることが不可能な場合は、いさぎよく撤退する勇気も必要になってきます。
2.マインドセット
グロースハッカーは、以下の3つのマインドセットを持つ必要があります。
1.複利で考える
Growthは複利で考えるべきです。
理由はシンプルで、少しの成長率の違いが最終的には大きなユーザー数の差になるからです。
たとえば、あるサービスの合計User数が10万人だったとしましょう。
Weeklyの成長率が2%と3%とでは、週の新規獲得ユーザーが2000人と3000人なので、
一見するとそこまで差はないように思えます。
しかし1年後には、ユーザー数28万人と46万人という全く別次元の結果になっています。
1%の改善を重ねましょう。
2.打席数の最大化
Growth Hackは、100回の施策中、80回失敗してなんぼの世界です。
そこでは、“Fail fast!”、いかに”早く”、”賢く”失敗するかが重要になってきます。
Fail fastするための唯一の方法は、決裁権を持った人間を巻き込むこと。
CEOが明確な指示や、権限を与えないグロースチームはほぼ間違いなく失敗しています。
「そんなの難しいよ!」と思われるかもしれませんが、それができない限り、グロースハックは120%不可能です。
3.シンプルであれ
DropboxやTwitter、Airbnbなど、大きなグロースを達成したサービスのハックはとてもシンプルです。
結局、どの世界でも言えることですが、大きなインパクトを出そうと思ったら、シンプルに生み出すのが一番です。
そして、シンプルに考えるための最も簡単な方法は、頭の中にシンプルなフレームワークを持つことです。
3.フレームワーク
それでは、フレームワークを一つ紹介します。
最も有名、かつ強力なのはAARRRモデルです。
グロースハッカー最強の武器と言っても過言はないでしょう。
・Acquisition(ユーザー獲得:登録や訪問など)
・Activation(ユーザー活性化:初めての利用でユーザーにプロダクトを面白い!と感じてもらう)
・Retention(継続:ユーザーが繰り返しサービスを使うようにする)
・Referral(紹介:ユーザーがサービスを周りに紹介するようにする)
・Revenue(収益:ユーザーがより多く課金行動を取るようにする)
このAARRRモデルはオンライン/オフライン、BtoC/BtoB問わず、全てのサービスに適応できます。
例えば、ECサイトであれば、
・Acquisition → サイト訪問
・Activation → そのサイトを良いと思ってもらう
・Retention → 何回も訪問してもらう
・Referral → サイト自体、もしくは中のコンテンツをシェアする
・Revenue → 商品を買う
ラーメン屋でも適応できます。
・Acquisition → 初来店
・Activation → 美味しいと思ってもらう
・Retention → 何回も来店してもらう
・Referral → 友達に勧めてもらう
・Revenue → 注文してもらう
では、このフレームワークがなぜ最強かというと、
1.フェーズ毎にフォーカスできるようになるから
2.戦略や戦術を整理・共有できるから
グロースチーム全体として、どのフェーズにフォーカスするべきか明らかになるなど、
このフレームワークのベネフィットは計り知れません。
そして、このフレームワークについてもう少し補足すると、
Retention に最もフォーカスするべきです。
理由はひとつで、ザルの目を細かくするため。
ザルの目が荒く、登録したユーザーがすぐにやめてしまう状態では、どんなに登録を増やしても”意味のあるユーザー数”は増えません。
ザルの目が細かい状態なら、1登録ユーザーあたりのLTVも向上するため、1獲得あたりにかけられるお金も増えるなど、
良いことづくしです。
4.チーム
グロースハックをするのであれば、
どんなに小さい会社でもグロースチームを持つべきです。
チームを構築する際のチェックリストは以下の5つ。
・メンバーがグロースに責任を持つ
・肩書に”グロース”を入れる(グロースハッカー、グロースエンジニアなど)
・CEOに必ずレポートする
・データ分析を楽しめる人材で編成する
・CEOよりもアグレッシブな性格の人材を集める
5.ツール
グロースハックにおいて、定性/定量データの分析は不可欠。
そして、それらのデータを収集するためのツールもまた不可欠です。
VASILYでは、上スライドのようなツールで分析を行っていますが、
どのツールを使うかはあまり重要ではなく、
・どういったデータを取りたいのか
・取りたいデータは最大限取れるようにツールを準備する
という2点が重要です。
まとめ
スタートアップの世界では、準備なしにガンガン攻めるのが正解!みたいな風潮がありますが、
実はグロースハックもリーンスタートアップ(前提条件の検証など)も準備がすごく重要です。
大きなグロースを達成したいのであれば、少し時間はかかっても
以上5つの”必要なもの”を揃えてから一気にハックをしかけていくというのが、
あるべき姿だと思います。